【日時】:2021年7月1日(木)- 8月27日(金)
【場所】:Cafe&Bar KAG
川上幸之介 研究室(倉敷芸術科学大学芸術学部)と、キュレーターの腰原慶子との共同で英国のアーティスト、ジェレミー・デラー氏の展覧会とコラボレーションプロジェクトを行いました。
デラー氏は英国のポピュラーカルチャーを題材とした一見ユーモアに満ちた作品が多くみられます。しかし、「社会的な地理学者」、「アーキビスト」と評されるように、英国に留まらない社会における諸問題、特に権力構造の根深いパラドックスに問いを投げかけています。政治的かつ、歴史的なエピソードを取り上げ、深遠に、ときに、ふざけたり、あるいはユーモラスなアプローチをとりながら展開されていきます。
同作では、異なるアイデンティティーや歴史観を受け入れ、被写体に権限を持たせるため、映画製作者、ミュージシャン、レスラー、運転手、監督、子供たちとコラボレーションをおこないました。このような視野を取り入れることで、オルタナティブな実践やコミュニティをアートにより表象し、普遍的な日常は、歴史的な事実の延長であり、忘れられた日々でもあることを浮かび上がらせます。
ジェレミー・デラー(1966年ロンドン生まれ、ロンドン在住)は、コートールド・インスティテュートでは美術史とサセックス大学美術史学修士課程修了。2004年にターナー賞を受賞し、2010年には英国王立芸術(RSA)のアルバート・メダルを受賞、2013年にはヴェネツィア・ビエンナーレに英国代表。彼の作品はFNAC(パリ)、FRAC Nord-Pas-DeCalais、FRAC Pays de la Loire、FRAC Provence-Alpes-Côte d’Azur、MoMA, Musée des Arts Contemporains, Grand-Hornu、Tate Gallery、Victoria & Albert Museum(ロンドン)などにコレクションされています。
腰原慶子 Royal College of Art キューレーティング・コンテンポラリー・アート科(CCA)修了。Middlesbrough Institute of Modern Art(mima) にてキュラトリアル・フェロー、大和日英基金(ロンドンオフィス)勤務後、コマーシャルギャラリー(ロンドン)の立ち上げに関わる。展示史の考察の中で、国際展など文化外交としての現代アートの存在、美術に関するパブリックとカウンターパブリックの繋がりによる充実と弊害、アーカイブの可能性と問題定義について研究を進めています。